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  Amazon Music Unlimited に加入しました  

 物欲

 楽にしろ映画にしろ、サブスクリプション契約があまり好きになれません。昭和的な考えである事は分かっているのですが、CDやDVDは物理的に円盤で蒐集したい気持ちが強いのです。レコードは書籍と同じで、私の場合、コンテンツそのものであると同時に、コレクションの対象でもあるからです。

 数千曲の楽曲が楽々格納出来るメモリデバイスをスマートフォンが獲得し始めた頃から、一枚一枚CDを購入するやり方が急速に古くさくなりつつあるのは分かっていました。事実私にしましても、手持ちのCDは全てmp3データに変換の上iTunesで一元管理し、それをiPodで持ち歩く生活を享受していた訳ですから。

 CDと違ってダウンロード購入は画期的であります。普通のレコード店には置いていないようなレアな曲も簡単に検索出来ますし、いつでもそれを購入出来る点は、非常に便利。学生時代に聴いたあの曲なんだっけ?と思いついたら、例えそれが夜中であっても、その場でその楽曲を手に入れる事が出来るのですからね。

 ダウンロード購入が、格納メディアを持たない音楽データそのものを購入する行為であるという意味で高い利便性を獲得しているのは事実ですが、CDも、曲を購入するという観点で考えれば、根底にある考え方は全く同じです。対してサブスクリプション契約は曲を所有せず、「聴きまくれる権利」を定期購入するという考え方。レンタカー借り放題権を購入するか、自分の愛車を所有するかの違いに似ているかも知れません。

 どちらが優れているかという論議は、どの部分に着目して考えるかに依ります。サブスクリプションの方が利便性が高いのは分かりますけれども、所有欲という言葉が存在するように、所有しているという状態自体にステータスを感じる、という考え方が存在するのも確かな事ですからね。

 私が学生の頃、新しい楽曲に最初に触れる機会は主にラジオでありました。ラジオを聴いていて、「お、この曲良いな」と思ったモノをメモしておいて、レコードやCDを買い求めたものであります。今はラジオの持つステータスが以前とは比較にならない程下がってしまいましたから、サブスクリプションサービスの「オススメのプレイリスト」が、かつてのラジオの代わりとなりつつあるのも、自然な流れなのでしょう。

 私が学生だった頃、多くの若者は、多少無理をしてでもコンポを購入しようとしておりました。不必要に出力の大きなアンプやスピーカを揃えるのがステータスでもあったのです。実際にはオンボロ下宿でそれ程の音量で音楽をかけられる筈もなく、単なる自己満足に過ぎなかったのですがね。それに比べると今はスマホとイヤフォンで全てが完結してしまいます。ステレオなどのオーディオ機器は、一部の好事家(こうずか)の為だけのものになってしまいました。

 Amazon Music Unlimitedに加入した、と聞いただけで、勘の良い方はピンときたかも知れませんが、Amazon Echo Show5 を購入したのが、今回のAmazon Music Unlimited 加入のきっかけであります。「アレクサ、元気の出る曲をかけて!」と指示する為には、何らかのサブスクリプションサービスへの加入が必要であります。所有する音楽データを再生させたくても、その楽曲が「元気の出る曲」に分類されるかどうかの情報にまではリンクしていませんからね。

 「アレクサ、元気の出る曲をかけて!」という指示には、「勿論、今流行(はや)っている曲の内でネ」という暗示的な条件が内包されていますから、単なる条件サーチではなく、ビッグデータを解析して得た、万人受けする典型的なプレイリストをサーバ側で事前にたくさん用意し、常にそれを更新し続ける体制が必要で、だとすると膨大な楽曲データを自由に聴く権利を購入するサブスクリプション契約が、こうした機能の為の前提条件となるのはある意味必然と申せましょう。

 Amazon Echo Show5は、当然ながら Amazon Music Unlimitedとの相性が良く、サブスクリプション利用料金も優遇されます。Amazon Echo Show5はまだ手元に到着しておらず、従ってアレクサとの生活がどのようなモノになるのかは想像の域を出ません。しかし、すっかりラジオを聴かなくなってしまった私にとって、アレクサのリコメンドしてくれるプレイリストは、流行(はやり)の楽曲への窓口になり得るのではないかと思っております。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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