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  ストーカーさん、こんにちは  

 徒然

JPEG形式ファイルは緯度経度データを内包出来るのです

 ログやSNSなどの普及浸透により、個人的な記事を世界に向けて簡単に発信する事が可能となりました。こうした利便性と引き替えに、問題となるのがネットワーク・リテラシーであります。不特定多数の人が閲覧可能な場所に、氏名、電話番号、住所と云った個人を特定し得る情報を掲載する行為の危険性は、ここで改めて申し上げるまでもないでしょう。こうした個人情報の流出に関しては、当サイトyaszone.jpでも十分な注意を払っており、私本人の画像を含め、個人を特定出来得る写真は一切掲載しておりません。人物の映り込みを極力排すとともに、画像を縮小加工する事で、モブ(群衆)として映ってしまっている方々を、特定出来ないように配慮おります。

 ところがこうした危機意識を一切持たず、安易に写真を掲載している例の多い事多い事。特に目立つのが、子供の肖像権を侵害している例であります。撮影者にとっては、子供の遊んでいる場面を成長日記的に保存したい、という意図に過ぎないのでしょうが、それならばパスワード等でアクセス制限を設け特定の関係者のみにしか閲覧出来ぬように設定すべきでしょう。ましてや、自分の子供のみならずその友達も映ってる写真を保護者の許可を得ないで閲覧制限無しにネットにアップする行為は、既にモラルの問題を越えています。相手の親御さんから削除要求される可能性も十分にありますし、いざ削除しようとしても、コピーやリツイートによってネット上に拡散してしまっていて消しきれないという状況すら考えられます。

 更にヤバいのは、ブログやSNSの自動サムネイル機能に起因する問題でしょう。自動サムネイル機能とは、撮影した高詳細画像をそのままアップしても、自動的にサムネイル(縮小画像)を生成し掲載してくれる機能の事であります。最近のスマートフォンの撮影画質の高詳細化は著しく、そのままの画質でWEB画面に表示するには大き過ぎますから、一旦サムネイル(縮小画像)を表示しておいて、それがクリックされた際に初めて、オリジナルの高画質画像を表示するという機能がクラウド側に必要とされたのは、当然の流れであったでしょう。

 こうした自動サムネイル機能が搭載される以前は、自分で画像を縮小加工してからアップするしかありませんでした。ところが最近では、一切の加工無しで、撮りっぱなしのオリジナル画像をアップする人が増えたのであります。こうしたネットワークリテラシーの低さが、重大な個人情報の漏洩に直結している事を忘れてはなりません。

 写真データには画像そのもの以外にも、撮影日時が記録されているのは当然として、更に絞り(f値)やシャッター速度、ISO、ホワイトバランス等の撮影データも格納されています。スマートフォン側の設定にもよりますが、GPSを利用した撮影場所データ(北緯と東経データ)までもが記録されているのです。

 画像の縮小等の加工を行えば、画像データ以外のプロパティは引き継がれませんので、撮影場所等のデータを含まない安全な画像データを作り出せます。しかし逆にオリジナルの画像データを無加工でアップすれば、撮影場所を不特定多数の人々に晒す事になってしまうのです。こうした写真のプロパティは、簡単な操作(Windowsの場合は右クリックで「プロパティ」を選択)で閲覧可能です。

 試しに2015年10月4日午前6時00分19秒に撮影された写真のプロパティを見てみましょう。この日私はグランフォンド八ヶ岳に出走し、この時間は7時のスタートを待っている状態で朝焼けに輝く富士山を写したのでありました。GPSのプロパティに従って、グーグルマップに「35°55'26.110"N 138°25'22.32"E」と入力しますと、確かに清里の清泉寮の南側の広場で撮影されたものである事が分かります。

 この様に外出時に撮った写真に関して正確な撮影場所が保存されているのは、中々便利な機能であります。しかしこうした便利な機能も、使い方を一歩間違えればストーカー被害にあう可能性すらあるのです。例えば「こんな料理を作りました」と自宅のキッチンで撮影した料理の写真を無修正でアップしますと、簡単に自宅の場所が不特定多数の人に漏れてしまいます。ましてや「自宅の庭で遊ぶ子供の写真」なんぞ載せたら最後、子供の顔と家の場所が同時に漏洩する訳ですから、もろにストーカーの待ち伏せの対象となる可能性があるのです。

 自動車は非常に便利なツールである反面、使い方を誤れば重大な事故を引き起こす可能性があります。だからこそ免許制度が導入されているのでしょう。スマートフォンの使用について免許制の導入まで求めるつもりはありませんけれども、何らかのネットワーク・リテラシー教育が必要な事は、間違いないところだと思います。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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