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  自転車に乗って変態になろう!(第11話:サイクリストの身だしなみ篇【最終回】) 

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 ローラー台まで装備し、まさしく病膏肓に入るといった風情の私でありますが、更なる重要な選択を迫られていたのでありました。剃毛問題で御座います。

今回のお話は、風紀上、
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 サイクリストたる者、脛毛をきちんと処理し、ツルツルにしていなければならないのだそうでありまして、ものの本によりますと、落車(転倒)時の治療を容易にする為とか、スポーツマッサージを受けやすくするとか諸説紛々なのですが、要は脛毛を剃っておく事はサイクリストとしての最低限の身だしなみなのだそうです。そう言われてみればツールドフランスの中継を見ましても、脛毛ボーボーの選手など一人もいらっしゃいません。

 レーパンしかり、剃毛しかり。サイクリストの常識は世間の非常識でありまして、自転車の世界ってぇのは、どうしてこんなに変態チックなのでありましょうか。女性ならともかく、男性の脛がツルツルじゃなきゃならないなんて、フツ〜ではありません。そんな自転車界だけの常識、無視しておこう。当初はそう考えていました。だってそうでしょ。私は別に自転車選手じゃないんですからね。

 ところがどっこい、昨年のグランフォンド八ヶ岳に出場してみましたら、かなりの方が剃毛されていらっしゃるじゃないですか。世間の常識からは外れているとは云え、出場者のうち過半数の方が脛毛を処理されているとなると、ボーボーの私の方が何か間違っているような錯覚に陥ります。あぁ私だけ脛毛を剃っていない。なんて恥ずかしいんだ・・・。こういう心境になってきたので御座います。

 それだけではありません。「え?まだ剃ってないの?じゃまだ初心者な訳だ」と言われているような気がしてしまいます。レーパンにジャージ、SPDシューズにヘルメット。あとは脛毛だけなのであります。う〜ん、剃ってみちゃおうかナ。

 2010年6月6日(日)開催のマウント富士ヒルクライムレースを剃毛デビューの日と決めました。ま、永久脱毛する訳ではありませんからネ。嫌だったら放置しておけば脛毛はまた生えてくるのです。と云う訳で、自宅の風呂場で脛毛を剃ってみる事にしました。

 ボディソープを足に塗って、T字剃刀で剃り始めました。私は普段からT字剃刀派でありまして、チタンコート4枚刃のものを使っております。髭に比べて脛毛の方が細いからでしょうか、思いがけない程スムーズに剃れて参ります。う〜ん、ツルツルです。肌触りもスベスベ。な〜んだ、こんな事なら初めから剃っておけば良かった。躊躇して損しちゃった〜。

 さて、ここでハタと困ってしまいました。どこまで剃るべきかという問題であります。私のレーパンは膝上タイプのオーソドックスなモノですから、そこまで剃ればよい訳ですが、実はそれだと腿の上部には毛が残っている事になります。しかも剃刀で剃っていますから、境界がくっきりの状態です。これでは例えば温泉に入った時など、かなり不審であります。結局のところ、局部を残して限界まで剃る事にしました。私は温泉が好きで、近くの「お風呂の王様」には割と頻繁に出掛けているのです。変に毛が残った状態では、大好きな温泉に行けなくなっちゃいますからネ。しか〜し剃りにくい。足の付け根付近のしかも腿の裏側など、風呂の椅子に普通に座ったままだと上手く剃れないので、足をピンと突き出して剃って行きます。

 ガチャ「湯加減ど〜お?ぎゃっ」。すごいタイミングで、かみさんが風呂場のドアをあけました。私ときましたら足をドア方向にピンと伸ばし、股下に手を入れながら、腿の裏側の毛をを剃っている最中でありまして、これ以上の無防備さが有ろうか、いや無い、と云う状態でありました。ちちちちちち違違違うんだ〜。ササササササイクリストとしての、みみみみ身だしなみなんだ。たまたまちょっと剃りにくい部分を剃っていただけなんだ。別に足をピンと伸ばしている事に深い意味は無いんだ!ホントなんだ!!!変態じゃないんだ!変態じゃないんだよ〜。

 あまりの驚きに、声すら上げられず、息を吸ったまま見つめあう私とかみさん。数秒の沈黙の後、目を大きく見開いていたかみさんの顔が、突然ポッと赤くなり、目をそらしつつも、こう云うではありませんか。

 「これって何プレイ?」

 わ〜ん。またこの展開だ〜。違うんだよぅ!!そんなんじゃないんだよぅ〜!変態じゃないんだってば〜!!

 かくして私の変態化は着実に家族に認知されていくのでありました。

 

 さ〜て、長らく続けて参りましたこのお話もいよいよお終いです。さ、あなたもどうです?自転車に乗って変態になりませんか?あなたが、めくるめく変態の世界に足を踏み入れるのを、心よりお待ちしておりますよ〜!

お分かりだとは思いますが、この文章は、すげー、脚色されています(笑)。
ここまで読み進めて頂き、有難う御座いました。

【おしまい】

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