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  我が愛するゴルフ(第2話:初ラウンド前篇) 

ゴルフをやるビジネスマンには、一つのジレンマがある

あまり下手だとゴルフを蔑ろ(ないがしろ)にしていると思われるし

あまり上手いと仕事を蔑ろ(ないがしろ)にしていると思われる

失意を抱いたまま、とうとう記念すべきコースデビューの日がやって参りました。1999年1月16日土曜日、伊豆の某カントリークラブが私の初陣でありました。実業之日本社刊 「ドライバーが絶対うまくなる本」

 ガチガチに緊張して、いよいよティーオフで御座います。私、くじ運は極めて悪い方でありまして、この日も恐怖の一番くじを引いてしまいました。オナーであります。

 入念な素振りの後、アドレスに入ります。足の位置、左の壁、脇をあけない、頭を動かさない、背中の軸を意識する、当てに行かない、肩を回す、腕の力を抜いて・・・・。ゴルフってのは大変なスポーツですな。チェック項目が山のようにあるんですから。

 何しろこれが私にとって生まれて初めてのティーショットなのであります。是が非でもうまく打ちたい。私の愛読書、実業之日本社刊「ドライバーが絶対うまくなる本」に書いてあった事を思い出しながら、私はゆっくりとテークバックに入ったのであります。

dot_sml.gif (880 バイト) すごい本ですよね。「うまくなる本」じゃなくて、「絶対うまくなる本」ですよ。「絶対」なら1400円の出費も惜しくないというもんであります。

 トップまでは意識してゆっくりとクラブを振り上げた私ですが、そこで頭の中が真っ白になってしまいました。自らに課した全ての注意点を無視して力いっぱい振り回したのであります。唸れ俺のドライバー。私は身長179cm、体重90Kg。(現在はダイエットにより70Kg台になっております)はっきり言って巨漢であります。しかも学生時代に柔道で鍛えたおかげで、背筋力275Kg重、握力98Kg重もあるのです。理屈から考えて、まともに当たれば300ヤードは飛ぶ計画だったのであります。

 ドサっという快音とはお世辞にも呼べぬ鈍い音がして、強烈な衝撃が私の手を襲いました。ダフったのであります。

 玉の約15cm手前で接地したドライバーは、その衝撃で鋭角に向きを変え、玉の頭にかすりました。空振りという最悪の事態は回避したものの、私の玉は眼前を時速5Kmほどの速度で、トボトボと転がっているではありませんか。

 周りからは失笑が漏れています。実業之日本社のうそつき。ちっとも「絶対」じゃないじゃないか。

 あまりの悲しい事態に呆然としている私に向かって、「ははは。Yas君、今のは無しで良いよ。打ち直しなよ」と周りが声を掛けてくれました。嗚呼、恥ずかしい。私も男であります。男子たる者、打ち直しなど出来る筈がありません。「穴があったら入りたい」気分というのは、正にこの事を指すのでありましょう。と、ふと見ると、私のドライバーによって出来た大きな穴が、ティーグラウンドに黒々と口をあけているのでありました。

dot_sml.gif (880 バイト) みんなが見てる前での失敗もイヤだけど、逆に笑ってはいけない状態で他人の失敗に遭遇するのも結構困りますよね。しかもそういう時に限って変な事言っちゃったりとか。接待ゴルフでお客さんがOB打ったのに、「ナイスショット」て言っちゃった事、無いですか?

【つづく】

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