トップまでは意識してゆっくりとクラブを振り上げた私ですが、そこで頭の中が真っ白になってしまいました。自らに課した全ての注意点を無視して力いっぱい振り回したのであります。唸れ俺のドライバー。私は身長179cm、体重90Kg。(現在はダイエットにより70Kg台になっております)はっきり言って巨漢であります。しかも学生時代に柔道で鍛えたおかげで、背筋力275Kg重、握力98Kg重もあるのです。理屈から考えて、まともに当たれば300ヤードは飛ぶ計画だったのであります。 ドサっという快音とはお世辞にも呼べぬ鈍い音がして、強烈な衝撃が私の手を襲いました。ダフったのであります。 玉の約15cm手前で接地したドライバーは、その衝撃で鋭角に向きを変え、玉の頭にかすりました。空振りという最悪の事態は回避したものの、私の玉は眼前を時速5Kmほどの速度で、トボトボと転がっているではありませんか。 周りからは失笑が漏れています。実業之日本社のうそつき。ちっとも「絶対」じゃないじゃないか。 あまりの悲しい事態に呆然としている私に向かって、「ははは。Yas君、今のは無しで良いよ。打ち直しなよ」と周りが声を掛けてくれました。嗚呼、恥ずかしい。私も男であります。男子たる者、打ち直しなど出来る筈がありません。「穴があったら入りたい」気分というのは、正にこの事を指すのでありましょう。と、ふと見ると、私のドライバーによって出来た大きな穴が、ティーグラウンドに黒々と口をあけているのでありました。
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